小学校入学を控えた年長では、小学校の先取り学習をどうするか、悩む親御さんも多いでしょう。
この記事では、通信教育の「Z会年長コースのメリット・デメリット」について解説します。
- 小学校の勉強についていけるか不安
- Z会は難しいイメージがあるので心配
- 他社教材と比べてのメリット・デメリットを知りたい
最後まで読めばこうした悩みを解決でき、教材の比較・検討がはかどります。
以下の記事ではZ会幼児コース利用者の口コミを紹介しています。
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Z会年長コースのメリット
まずはZ会年長コースのメリットについて解説します。
自分の頭で考えさせる良問が多い
「Z会は難しい」というイメージがありますが、それは自分の頭で考えさせる良問が多いからです。
ふつうの先取り学習なら、ひらがなやカタカナの書き方、足し算引き算、時計の読み方といった単純な問題で基礎を学びます。
しかしZ会では、暗記すれば条件反射で答えられる問題だけでなく、「考える力」を養うための問題がメインです。
- インタビュー形式の穴埋め語彙問題
- 読解力や空間把握力が必要な計算問題
- 生活や自然に関する知識・分類問題
こうした、読解力や論理的思考力を求められる問題が多く、頭を使いながら学習することで将来に役立つ思考力を育めます。
学習の到達レベルが高い
Z会の真骨頂は知識を増やすことではなく、人生で役立つ思考力を身に付けることです。
付け焼刃の暗記で答えられる問題ばかりではなく、大人でも少し考えてしまうような問題もあります。
国語では音読や自分で文章表現をすることで、長い文章を正しく理解し、扱えるようになります。
算数では文章題が中心となり、計算だけでなく「何を問われているのか」まで把握しなければなりません。
規則性や情報処理、図形など、論理的に問題を考えるプログラム的思考力を養う問題が出題されます。
時には一筋縄ではいかずに苦戦するかもしれませんが、根気強く問題を考え続けられる基礎力が身に付きます。
小学校準備ワークがある
Z会には学習ワークだけでなく、親子で一緒に好奇心を育む「ぺあぜっと」というワークがあります。
年長コースでは小学校生活をイメージさせるため、生活習慣や登下校、小学校の様子などを親子で予習します。
- 時間の逆算
- 登下校ルートの確認
- 小学校の時間割
- 自己紹介のしかた
こうしたワークを親子で取り組むことで、小学校入学前の不安を和らげられます。
時計の読み方や生活習慣など、当たり前のことほど案外子供に教えるのを忘れてしまいがちです。
Z会年長コースでは、学習以外もサポートしてくれるので安心できます。
保護者向け情報誌がある
Z会年長コースには、「ぺあぜっとi」という保護者向けの情報誌があります。
「ぺあぜっと」の取り組み方だけでなく、育児情報や声掛けの工夫、日常を学習の場に変える方法なども掲載。
子供の教育では、知的好奇心を刺激して子供が自ら疑問を持って考えさせるように工夫することも必要です。
とはいえ、頭では分かっていても、いざ実践するのは難しいもの。
「ぺあぜっと」によって具体的な教え方が分かるので、親も安心して教育に取り組めます。
Z会年長コースのデメリット
次に、Z会年長コースのデメリットを解説します。
「ぺあぜっと」は親が大変
Z会には2種類のワークがあります。自習用教材の「かんがえるちからワーク」と、親子で取り組む体験型教材の「ぺあぜっと」です。
料理・実験・体験学習など、学校の授業だけでは学べない内容が題材となっています。
夏休みの自由研究や課外活動のイメージです。
ただ、野菜の収穫やお雑煮作りなど、少々ハードルが高いものもあり、全てこなすのは大変かもしれません。
Z会でも土日にじっくり取り組むのを推奨しており、共働きや土日出勤などで両親が忙しい家庭では時間が取れないことも。
「Z会は親が大変」と言われるのは、親子で行うぺあぜっとの印象でしょう。
ぺあぜっとではフィールドワークや科学の実験を行いますが、「行動(観察)→発見→疑問」のプロセスから「仮説を組み立てて考える力」を養えます。
これは算数や理科でも役立つ論理的思考力で、知的好奇心を刺激しながら楽しんで学べるのは「ぺあぜっと」ならではです。
時間を割いて親子で取り組む価値は十分にあるので、将来への投資と考えて積極的に利用することをおすすめします。
勉強の習慣がないと続かない
Z会の問題は思考力を養う良問が多いため、時には悪戦苦闘しながら問題に取り組んでいきます。
もし勉強すること自体に慣れていなければ、考えることや正解になかなか辿り着けないことに嫌気がさし、勉強が苦痛になってしまうかもしれません。
他にも、Z会は学習を盛り上げる付録やデザイン・キャラクター面が他社より遅れている印象があり、どちらかというと硬派なドリルの傾向があります。
もし心配なら、Z会の無料体験おためし教材を申し込むか、市販のワークなどで事前に勉強する習慣を身に着けるのがよいでしょう。
もちろんZ会も難問ばかりでなく、さっと解ける難易度が低めの問題も用意しています。
思考力重視で集中力も要りますが、段階を踏んで鍛えていくので、それほど心配しなくても大丈夫です。
ボリュームが少ない
Z会年長コースは良問が多く、量をこなすよりも、質のいい問題を考えて解くことに重きを置いています。そのため、全体的なボリュームは比較的少ないです。
課題をたくさんこなしたり、間違った問題を繰り返し反復したりするタイプの学習ではないので、ボリュームが少ない分、見た目の達成感はやや劣ります。
しかしZ会では、ひとつの問題をじっくり考えていく過程に価値を置いているので、ボリュームが少なくても充実感や学習効果に欠けることはありません。
むしろ、問題数を絞れるのは長年のデータやノウハウの蓄積によるものであり、量を増やすだけならワークを買い込むだけでも可能です。
他の教材にはない唯一無二とも言えるクオリティなので、ボリューム自体を気にする必要はありません。
ただ、「思っていたより量が少ない」と肩透かしをくらったり不安になったりする可能性はあるので、気に留めておいてください。
Z会年長コースの内容
Z会年長コースのカリキュラムや料金について解説します。
カリキュラム
年長コースの年間カリキュラムは下記になります。
出典:Z会 HP
内容としては小学校の先取り学習になります。
しかし単に読み書きや計算をするのではなく、考える経験や表現を楽しむことを重視しています。
「かんがえるちからワーク」は月30回分(1回5~10分)、「ぺあぜっと」は月10回分(1回10~60分)を収録。
毎日机に向かって、ワークに取り組む習慣を付けられるように設計されています。
一方で、体験型教材の「ぺあぜっと」はボリュームが多いので、休みの日にまとめて取り組む前提です。
年長コースでは、「ぺあぜっとシート」という添削課題があります。
課題と言っても問題を添削してもらうのではなく、あるテーマについて絵や文章で表現する形式です。
担当の先生とのコミュニケーションを通じ、思い出や考えを表現して、共有する楽しさを学べます。
また担当は毎回同じ先生なので、子供の趣味や性格に合わせたコメントをしてくれます。
料金体系
年長コースの料金体系は下記になります。
出典:Z会 HP
入会金や退会費用は0円で、最短1ヶ月から解約可能です。
万が一合わなかったとしてもすぐに解約でき、年一括払いしても毎月払いの料金で計算して、返金してくれます。
ちなみに、よく比較対象に挙げられる「こどもちゃれんじ 5.6歳(年長)向けコース」の料金体系は下記のとおりです。
出典:こどもちゃれんじ HP
年一括払い | 毎月払い | |
Z会 | 2,717円 | 2,860円 |
こどもちゃれんじ | 2,480円 | 2,980円 |
毎月払いで比較すると、Z会は2,860円、こどもちゃれんじは2,980円と、値段に大差はないです。
Z会は、こどもちゃれんじのように豪華な付録やDVDが送られてこないため、むしろ割高に感じるかもしれません。
しかしクオリティを考えれば、決して高すぎることはないです。
いずれにせよ、月5,000~10,000円かかる塾や公文と比較すれば、交通費もかからない分お得とも言えます。
デジタル教材
Z会年長コースでは、家庭のスマホやタブレットで取り組める、オンライン形式のデジタル教材があります。
かんがえるちからワーク デジタルプラス
出典:Z会 HP
「かんがえるちからワーク デジタルプラス」は、2021年に実装された教材です。
音声問題や図形の組み立てなど、動画のメリットが活きる問題が多数収録されています。
- 正しく捉える力
- 試行錯誤する力
- 推理する力
- 論理的に判断する力
これら4つの力に焦点をあて、かんがえるちからワークとの相乗効果を狙います。
きいてわくわくえいごパーク
出典:Z会 HP
「きいてわくわくえいごパーク」は、公益財団法人日本英語検定協会公式のラーニングコンテンツの一部を、Z会が編集して提供するサービスです。
「かるた」や「もぐらたたき」といったゲームに挑戦するなかで、自然に声に出しながら英語に触れられるシステムになっています。
- 家の中
- 天気と気持ち
- 数
- 文房具
こうした日常で使えるシーンから出題されるので、より英語を身近に感じられます。
Z会年長コースが向いている親子の特徴
それでは最後に、Z会年長コースが向いている親子の特徴を解説します。
子供にすでに学習の習慣がついている
Z会年長コースは思考力を育むことを主題としており、根気強く考える問題が多いです。
すぐ正解に辿り着けないもどかしさから、途中で飽きてしまったり、勉強自体が嫌になってしまったりする可能性があります。
付録やイラストなどで、親しみやすさを演出するタイプの教材ではないので、勉強の習慣がついていない子供だと、思うように取り組めないかもしれません。
もし勉強に苦手意識があるなら、まずは難易度が低くて量の少ない教材で練習するのも手です。
学習の習慣と自信をつけることで、Z会の良問にも粘り強く取り組めます。
親がワークや体験学習のサポートを積極的にできる
ワークは考えさせる良問が多いため、親のサポートがあるとよいです。
少しだけヒントを与えて誘導することで、「分からなくて先に進めない」というもどかしさを和らげられます。
また体験学習ワークの「ぺあぜっと」は、基本的に親と一緒に学習する前提です。
料理や野外活動、実験などさまざまな体験学習のワークがあるため、土日などでまとまった時間を取る必要があります。
もし共働きなどで時間的な余裕がないなら、カリキュラムに優先順位をつけ、できる範囲で取り組むのをおすすめします。
全てを完璧に学習しなければならない訳ではありませんが、知的好奇心も育むZ会のポテンシャルを活かせないのはもったいないです。
1回10分~1時間のボリュームで全10回分あるので、月にこれだけの時間が取れるか確認しましょう。
知識よりも考える力や体験を重視している
Z会では知識よりも考える力を重視しています。
知識だけでは応用がききませんが、論理的思考力や考え続ける集中力は一生の宝物です。
年長のうちから学習の基礎的な能力を高めることで、今後の学習に役立てられます。
短期間で結果を出すというよりは、長期的な成長を見込んでいるので、「今すぐ学力をアップさせたい」という方には向いていません。
しかし知識よりも考える力や体験を重視している方には、Z会の方針はぴったりです。
続けられるか不安
Z会年長コースでは、最短1ヶ月で途中解約が可能です。
年一括払いをしても月割りで払い戻してくれるので、万が一合わなかったとしてもすぐに辞められます。
また、Z会年長コースには「無料おためし教材」があるため、不安なら子供に合っているか事前に確認しましょう。
おためし教材を取り寄せてもセールスはないため、積極的に利用するのをおすすめします。
ユーザーの不安を極力減らす仕組みになっているので、続けられるか不安な人は、解約リスクの少ないZ会がおすすめです。
まとめ:Z会年長コースは「考える力」を養う良質な教材
この記事では、「Z会年長コースのメリット・デメリット」について解説してきました。最後にもう一度、ポイントをおさらいします。
メリット
- 自分の頭で考えさせる良問が多い
- 学習の到達レベルが高い
- 小学校準備ワークがある
- 保護者向け情報誌がある
デメリット
- 「ぺあぜっと」は親が大変
- 勉強の習慣がないと続かない
- ボリュームが少ない
Z会年長コースでは問題の質や体験学習を重視した、クオリティの高い教材が揃っています。
考える力を養えるので、Z会での学びは小学校高学年や中学でも役立つでしょう。
価格も他社と同程度で、解約のハードルも低いといったメリットもあります。
Z会には創立80年の歴史があり、蓄積されたデータとノウハウで作り出した良問は、とても魅力的です。
子供の育て方や教育に関する情報誌「ぺあぜっとi」もついてくるので、親も子供への接し方を勉強できます。
気になった方は、ぜひ資料請求か無料おためし教材を利用してみてください。